トピックス
賃上げ促進税制の改正
物価の高騰や最低賃金の引上げ、また人材の確保などの観点から、大企業のみならず多くの中小企業でも賃金の引上げが行われております。中小企業にとっては、賃金の引き上げは、経営上大きな影響を与えるものとなります。そこで持続的な賃金の引き上げに対する税制面からの支援として令和6年の税制改正において「賃上げ促進税制」の強化が行われました。
そこで今回は、中小企業向けの「賃上げ促進税制」についての概要と強化されたポイントについてお話してまいります。
中小企業者向け賃上げ促進税制とは、中小企業者等(資本金1億円以下の法人又は農業協同組合等)に該当する者や青色申告書を提出している個人事業主で常時使用する従業員数が1,000人以下のものが、前年度より給与の支給額を増加させた場合に、その増加額のうち一部の金額を法人税や所得税から控除することができるという制度です。
適用要件及び税額控除額
- 雇用者給与等支給額が、前年度と比較して1.5%以上増加した場合
・・・給与の増加額の15%の金額を法人税額又は所得税から控除 - 雇用者給与等支給額が、前年度と比較して2.5%以上増加した場合
・・・給与の増加額の30%の金額を法人税額又は所得税から控除
さらに次の要件を充足すると控除率の上乗せがあります。
- 教育訓練費の額が前年度の教育訓練費の額と比べて5%以上増加しており、かつ適用事業年度の教育訓練費の額が雇用者給与等支給額の0.05%以上である場合
・・・税額控除率を10%上乗せ - 適用事業年度に子育てサポート企業として厚生労働省から「くるみん」又は「くるみんプラス」の認定の取得又は女性活躍支援企業として「えるぼし」の2段階目以上を取得した場合
・・・税額控除率を5%上乗せ
つまり、控除額は給与等増加額の最高45%を税額から控除できることとなりました。ただしこの控除前の法人税額の20%が控除額の限度となります。
た、今回の改正では、控除しきれなかった税額控除額について5年間の控除の繰越が可能となりました。ただし、繰越控除を行おうとする事業年度において前年の給与等の支給額より繰越控除行う事業年度の給与等の支給額が増加している場合に限られます。
なお、この税額控除制度の対象となる給与には、社員の給与の他パートさんやアルバイトの方の給与は含まれますが、法人の役員及び役員の親族、個人事業主の親族に対する給与については含まれません。
上記の制度は、法人については令和6年4月1日から令和9年3月31までの間に開始する事業年度が、また個人事業主については令和7年から9年の各年について適用されます。
CONTACT まずはお気軽にご相談下さい
お問い合わせ・ご相談は、
お電話またはお問い合わせフォームにて受け付けております。
当事務所はクラウド会計ソフトの認定アドバイザーが在籍しておりますので
安心してご相談ください。