浦野会計事務所(大阪 税理士/大阪市西区 税理士)

まずはお気軽にお問い合せください。電話番号 06-6536-7560 平日営業時間 9:00〜17:30(土日祝日休)

メールでのお問い合せはこちら

浦野会計事務所ブログ

2015年04月30日(木)その他

退職金と退職所得(控除)

 

こんにちは、職員のコガです

 

今回は、「退職金と退職所得(控除)」について計算方法と併せて簡単にお話します。

まず、「役員又は使用人に退職金を支払うときには、所得税及び復興特別所得税を源泉徴収して、原則として、翌月の10日までに納めなければなりません。この退職金には、退職したことにより支払われるすべてのものが含まれますので、本来の退職手当のほかに功労金などを支給しても退職金に含めなければなりません。」(国税庁HPより)

 

退職金と退職所得の違いですが、

退職金(退職手当)とはもちろん、企業が退職者に支払うものです。

退職所得とは、簡単に言うと退職金のうちの課税される部分を言い(=課税退職所得)、勤続年数に応じて変わる非課税部分(控除部分)を差し引いて計算されます。

 

退職所得の金額はつぎのように計算します。

(収入金額※源泉徴収される前の金額 - 退職所得控除 × 1/2 =退職所得の金額

 

具体的な計算例をあげる前にもう1点。

退職金に対する源泉徴収のしかたは、退職する人から「退職所得の受給に関する申告書」の提出を受けている場合と受けていない場合とで異なります。

※国内において退職手当等の支払を受ける居住者は、この申告を行わなければなりません。この申告を行わない場合は、その退職手当等の金額につき20%(平成25年1月1日以後に支払を受けるべきものについては20.42%)の税率による源泉徴収が行われることとなります。

退職手当等の支払者は、税務署長から特に提出を求められた場合以外は、税務署への提出の必要はありません(退職手当等の支払者が保管することになっています。)。

 

では以下、計算例になります。

 

①「退職所得の受給に関する申告書」の提出を受けている場合

  • (1) 退職する人の勤続年数を計算します。  勤続年数の期間は、原則として、退職金の支払者の下で退職の日まで引き続き勤務した期間です。  長期の欠勤や病気での休職の期間も、勤続年数に含めます。  勤続年数の期間に1年に満たない端数があるときは、1年に切り上げます。

※ちなみに、源泉徴収税額の日額表丙欄の適用(アルバイトに対して日給や時間給で支払う給与は、あらかじめ雇用契約の期間が2ヶ月以内)

を受けていた期間は勤続期間に含まれません。

  • (2) (1)で計算した勤続年数に応じて、次の表により退職所得控除額を計算します。

退職所得控除額の計算の表

勤続年数(=A) 退職所得控除額
20年以下 40万円×A (80万円に満たない場合には、80万円)
20年超 800万円+70万円×(A-20年)
  • (3) 退職金の支給額から(2)で計算した退職所得控除額を差し引き、2分の1(1,000円未満の端数は切り捨てます。)にします。

     ※なお、役員としての勤続年数が5年以下の法人役員等の退職金については、計算過程で2分の1にしません。

  1. (例1) 退職金の支給額が800万円、勤続年数が10年2か月の人の場合
    1. イ 勤続年数は、11年になります。(1年未満の端数は1年に切上げ)
    2. ロ 退職所得控除額 40万円×イの勤続年数=40万円×11年=440万円
    3. ハ 課税退職所得金額 (退職金の支給額-ロ)×1/2    =(800万円-440万円)×1/2=180万円
    4. ニ 税額(ハ×税率-控除額)×1.021=180万円×5%×1.021=91,890円

    この場合の源泉徴収税額は、91,890円になります。

  2. (例2) 退職金の支給額が2,300万円、勤続年数が29年2か月の人の場合
    1. イ 勤続年数は、30年になります。(1年未満の端数は、1年に切上げ)
    2. ロ 退職所得控除額 800万円+70万円×(イの勤続年数-20年)    =800万円+70万円×10年=1,500万円
    3. ハ 課税退職所得金額 (退職金の支給額-ロ)×1/2    =(2,300万円-1,500万円)×1/2    =400万円
    4. ニ 税額(ハ×税率-控除額)×1.021=(400万円×20%-427,500円)×1.021=380,322.5円    ⇒380,322円(1円未満の端数は切り捨てます。)

    この場合の源泉徴収税額は、380,322円になります。

 

②「退職所得の受給に関する申告書」の提出を受けていない場合

この場合には、退職金の支給額に20.42%の税率を乗じて計算した所得税及び復興特別所得税の額を源泉徴収します。  この場合、退職金の受給者本人が確定申告をして、1と同様の計算を行い精算することになります。

(例)

  • 退職金の支給額が800万円の場合
  • 退職金の支給額×20.42%=800万円×20.42%=1,633,600円
  • この場合の源泉徴収する所得税及び復興特別所得税の額は1,633,600円になります。

 

以上です。

 何かご不明な点があれば、

お気軽に大阪市西区税理士浦野会計事務所まで。